[1999.10.23]
  図書のお姉さんの腕章を探して


 ▼ブリタニカ百科事典のネット無料公開に人気殺到(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3230.html


 図書館で見かけた図書の腕章を付けたお姉さんは,本の中から来たのだと云う。本棚が乱れて,本の世界と現実の世界が崩れていると云うのだ。見ると,本から飛び出した兵士たちや妖怪や艶っぽいお姉さんたちがうろうろしている。やっと本を片づけて,ふと手にした本を見ると,腕章を取り忘れたピーターパンのウェンディの姿があった,とさ。

 19日に公開されたブリタニカ百科事典の全内容を無料公開したブリタニカ社のサイトは,初日に1200万から1500万ヒットを記録,予想以上のアクセスにサーバーダウンした。このサイトは32巻セットの百科事典の全内容と,世界中の新聞のニュースや速報,有名雑誌からの抜粋記事などを提供,広告だけで運営される。

 ワイヤードの存在価値の一端が,地球上のすべての文字文化を保存し自由にアクセスできるデータベースの構築,というテッド・ネルソン氏ザナドゥにさかのぼるとしたら,britannica.comは,その理想郷に近づく飛び道具となる(過去記事)。200年以上の月日を費やしてきた世界最大の知の宝庫と呼ばれる辞典は,ワイヤードに来るべくして来た存在だ。一日二日でできるものではない百科事典の編纂の歴史は,それ自体に価値がある。

 重くて大きい百科事典は,なにか目的を持って調べるだけでなく,何気なくぺらぺらとめくって,なんてことなく興味があるものないものに目移りしながら読んでいく楽しさがある。ウェブ版はそれに比べて,探し物を探すという目的意識が今は大きいけど,ユーザーがワイヤードに入り込めば,ぺらぺらと流し読みすることもできるだろう。どうせ仮想の空間であれば,辞書の中の出来事や空間などをすべて体感できるかもしれない。戦争の世界も,妖怪たちの世界も,メルヘンの世界も,どんな世界でも構築できる。その始まりがサーバーダウンという笑い話だったということも,まぁご愛嬌ということで…。


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